Good Placeのレビュー

Good Placeのレビュー


あの世が舞台のドラマ「Good Place」

「Good Place(グッド・プレイス)」 2016年 シーズン1 2017年 シーズン2 1エピソード 22分
原作・制作:マイケル・シュア
出演:クリスティン・ベル、テッド・ダンソン、ジャメーラ・ジャミル、ウィリアム・ジャクソン・ハーパー、ダーシー・カーデン、マニー・ジャシント

天国≒「いいところ(Good Place)」

死後の世界、その中でも「いいところ」は人々は生前に思い描いた理想な家に住めたり、空が飛べたりするといった夢のような楽園。ただ間違ってやってきたエレノアに与えられたのは小さな家。家の中には何故かいたるところにピエロの絵が飾ってあるという風変わりな家だった。また「いいところ」には自分のソウルメイトが必ずいることになっているが…エレノアのソウルメイトとして紹介されたチディは、エレノアが別人なのだから当然ソウルメイトではない。じゃあチディの本当のソウルメイトはどこに?など細かな疑問が浮かんでくるあたりも物語への興味を駆り立てる。

「Good Place」は童話か!ってくらいのわかりやすさ

エレノアは自分が何故「いいところ」にいるかはわからないが、エレノアが何か悪さをすると「いいところ」の秩序が乱れてしまうらしく、エビが空を飛び、巨大な昆虫やカエルが街を襲う等、世界が無茶苦茶になってしまうのだった。世界を混乱に陥れないためにも、自分が「悪いところ」に行かされてないためにもエレノアは良い人間になろうとする。だが生前のエレノアは良い人とはかけ離れた性格で、法には触れていないけれど明らかに人間としてどうかと思う行動ばかりを取るような性格の悪い自己中心的な人間だった。と言っても現実世界ではいないレベルのぶっとんだ性格の悪さはむしろ笑える。

「Good Place」は1話で1、2回かならず驚きの展開

脚本がとても凝っていて、1エピソード22分の間に登場人物の突飛な行動や話の展開にかならず驚かされる場面が挟まれ、特に毎回のラストにはしっかりと次がみたくなるようなフリがある。そんな具合でサービス精神が細部に行き届いたドラマになっている。一見テーマはなんだか堅苦しい感じだし、メルヘンすぎる演出もあいまって優等生タイプな道徳めいたドラマに見えるかもしれない。でもきっと先へ進めば進むほどそんな印象を良い意味で覆してくれるはずだ。メルヘンな演出はそのままではあるが(笑)またマイケルやジャネットのように”人間ではない”登場人物の無意味で不思議な行動も面白い。

「Good Place」の音声は英語で見るのがおすすめ

「いいところ」には制約があって、たとえばFワードなどの汚い言葉を使うことができない。使おうとすると別の言葉に変換されて出てくる。吹き替え版を見るともともとの言葉がなんだったのかサッパリわらないが、英語で聞いていれば慣れている人なら「Fork」だとか「Shirt」だとかははああ、あれねと(笑)言い方と言葉の響きでわかるはず。

「Good Place」出演俳優の芝居が良い

クリスティン・ベルは「アナと雪の女王」のアナ役、「ベロニカマーズ」、「ゴシップガール」のナレーター、テッド・ダンソンは「CSI」や「ファーゴ」で知られているのではないだろうか。二人ももちろんだが、他のメインの出演者も皆コメディとしての役柄がとてもうまくハマっている。個人的には8歳の時沈黙の誓いを立てたまま沈黙を守り続けているという台湾の僧侶ジャニュ(マニー・ジャシント)がヤバい。あまり語れないけれどヤバイ。好む好まないには関わらず、先を見ていけばどうヤバいのかはわかるだろう。

「Good Place」 シーズン1 ネタバレなし ざっくり感想

「倫理学を学んでよい人間になる!」なんて真面目そうな話で見始めた時は少し抵抗感があったけれど、前述したように要所要所に驚きや笑いがちりばめられていて飽きない。より正確にいうならば序盤は「まぁ、楽しいし、次が気になるような気がする」くらいの感想だった。ただ回を追うにつれてどんどんと脚本家のサービス精神は良い意味でエスカレートしていく。管理人は他に見ていたドラマの箸休め的に「グッドプレイス」を見始めていたのだけれど、気づくとこっちのほうが気になってしまい最後まで一気見。2017年現在で言えば、ネットフリックスオリジナルシリーズの中で3本の指に入る”止まらなさ”でした。結構ベタな王道的展開も通りながらそれでもしっかりと楽しませてくれる脚本が本当に素晴らしい。強いて文句をつけるならシーズン1だけではまとまっていないところ。とは言え、現在(2017年10月)シーズン2が週1配信されているのでこれからどうなっていくのかとても楽しみである。

「Good Place」 シーズン2 エピソード1、2

面白さ:★★★★★☆☆☆☆☆(5点)
シーズン1の全配信と同時にシーズン2の1エピソード目が配信となり、以降週1回1エピソードずつ配信されていく模様。ただなかなかネタバレをせずにシーズン2を語るのは難しいかもしれない。シーズン2-1は通常回の倍の尺で前回を振り返りつつ、新しい展開が始まっていくが、続くエピソード2まではシーズン2のプロローグ的な位置づけなんだろうと思う。エピソード3からが本番と思われる。次回に期待。期待感はまだ十分に保たれている。

「Good Place」 シーズン2 エピソード3 チーム・ゴキブリ

面白さ:★★★★★★★★☆☆(8点)
シーズン1で毎回見せてきた驚きの展開はシーズン2ではここから始まると言ってもいいんじゃないだろうか。「グッドプレイス」は設定が死後の世界というフィクションの中のさらに架空の世界のため、例えどんな設定だとしても作り手次第で「死後の世界とはそういうものなのだ」、と言い切ってしまえばよい。そんな中でやはり大事なのはここまでのストーリーとの整合性が取れており、かつ面白いもしくは意外な展開である。そんな管理人の願い通りにエピソード3は展開されたと言っても過言ではない。エピソード1、2がシーズン2としての「起承転結」の「起」に当たる部分であるならばエピソード3は「承」に当たる部分で、ここからどうなるんだ?という期待感が膨らむ回だった。またここまでで描かれたエレノア、チディ、タハニ、ジャニュのキャラクターが立っているからこそ面白い回だったと思う。本当にこの「グッドプレイス」脚本家は心理的隙をついてくるというか、「え、そっち行きますか」といった感じの驚かせ方がすごい。予想を裏切り期待に答えるというエンターテイメントの王道を行っています。まぁ、今のところはだけど。なんにしても次回も楽しみです。

「Good Place」 シーズン2 エピソード4 実存的危機

面白さ:★★★★★★★★★☆(9点)
今回はかなり好きな回。人ならざる存在のマイケルに、人間にとっての死を理解させるという回。死という概念がないマイケルはまるで人間の子供が死を理解しないように、死を”知らない”。では死に似た状態である彼らにとっての”引退”をリアルに考えてようということになり…。まさかの哲学あるあるコメディになっていく。小難しい言葉は多いが、基本的には例えば死を知らない子供に”死ぬ”ということを教えるにはどうすればいいか?とか死というものを人間はどう解釈すればいいのか、そんな事柄をみんなで考えるという話になっていて、その中で作られる新しい感覚の笑いがとても面白かった。お笑いの基本であるところの”緊張と緩和”で言えば、死を”緊張”としてうまく使って笑わせてくれるという、構図としてはベーシックでありながら、死後の世界という前提だからこそできるネタが斬新。またどんな展開になっても、登場人物がどこかコミカルで必ずかわいらしさを見せてくれるのが「グッドプレイス」の良いところだと思う。

「Good Place」 シーズン2 エピソード5 トロッコ問題

面白さ:★★★★★☆☆☆☆☆(5点)
メインストーリーとしてはマイケルに倫理を教えるというネタとして「グリーンハウスアカデミー」でも出てきた倫理学の試験実験、トロッコ問題を考える回。これはブレーキの壊れたトロッコが進む先に5人の作業者がいて、何もしなければ5人が死ぬことになり、また進路を変更することはできるが、変えればその先にいる一人が死ぬ。では果たしてどちらを救うべきか?という問題。正しい答えがない問題だが、例えば犠牲を少なくするために一人を殺すことを選ぶとする。ではもしその一人が自分の家族だったら?もしくは作業者5人の中に家族がいたら?もしこれがトロッコではなく、1人を殺して臓器移植を行えば5人が助けることができる医者だったらどう答える?…そのような命題を「あの世」ならではの方法で考える。正直今回はめちゃめちゃ面白いわけではなかったが、その代わりにわかりやすい伏線が含まれている回。次回以降の展開に大きくかかわると思われるため、次回に期待である。

「Good Place」 シーズン2 エピソード6 ジャネットとマイケル

面白さ:★★★★★★☆☆☆☆(6点)
ジャネット原因不明の不調に陥り、そして悪化しているという。最悪の場合地区が全壊する恐れがあるため、ジャネットはマイケルにメンテナンスを依頼する。基本的機能がどこもおかしくないジャネットが不調な原因は恐らく「客観的真実と整合性が取れない事実をジャネットが処理または広めていること」だった。マイケルは原因にたどり着くが…。というお話。今回はマイケルとジャネットの二人芝居で尺のほどんどを取る珍しい回。チディもエレノアもワンシーンずつしか出てこない。またマイケルとジャネットの過去も明らかに。勘の良い人ならエピソード5の時点でジャネットの不調の原因に気づいているかもしれない。

「Good Place」 シーズン2 エピソード8 彼の名はデレク

面白さ:★★★★★★★☆☆☆(7点)
ジャネットの不具合に対して取った処置が新たなる問題を生み、マイケルはエレノア達に相談をし問題解決のために奮闘する。「グッドプレイス」があの世の話でなければ大して面白くはないかもしれないけれど、万能のジャネット、人間じゃないマイケルの発想が斜め上なのは最早「グッドプレイス」の持ちネタ状態で安定して面白い。そんな自由な発想で問題を解決していく彼らのドラマが、まるで一人の人間が困難に向かい合う時に脳内で起こっていることを暗喩しているかのようだ。また最もダメ人間だったはずのエレノアが最近やたらイイことを言ったり(訳のわからないこともいうけれど)とシーズン2では各キャラクターがあの世に来てからの変化も見どころだ。

「Good Place」 シーズン2 エピソード9 Leap to faith

毎週楽しみにしていたのになぜかここへきてエピソード9の配信は2018年1月となっている。米国放送が1月4日なのでNetflixでの配信は日本の1月5日になると思われる。エピソード8で新しい展開が起こりますよ、というラストシーンだっただけに2か月空けられるのはつらい…まぁでも1年後とかじゃないだけマシか。

「Good Place」 シーズン3早くも決定

シーズン2後半の放送を2018年1月に控えた今、早くもシーズン3が更新されると報じられた。アメリカでの視聴者数も600万人を超え、人気も上々のようだ。まぁ、個人的には面白さを保ってくれるなら続いてくれるのは大歓迎だけど、正直シーズン3のアナウンスはシーズン2の最終回でやってくれればよかったのに、と少し思う。だって、中途半端に1月までシーズン2の残りを待たされて、またそこからどうせシーズン3まで1年とか待たされるかと思うと…。そんなんはいいから早くシーズン2の残り放送しろよ、と言いたくはなるよね。

  • 最終更新:2017-12-07 17:04:19

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